2016年9月5日月曜日

時刻: 16:01 投稿者 estec-inc

社長の武部です。

先日(8月30日)の北國新聞朝刊に
『石川のマンション高騰』(北陸経済5面)との見出し記事がありました。
その中で私のコメントも少し載りましたが・・・
その事とは別に、今回は私が思う石川・・・
特に金沢の地価について、少しお話ししたいと思います。

ご承知の通り、北陸新幹線は昨年3月14日に長野~金沢間が延伸され
結果、東京と金沢は2時間半で結ばれました。
勿論、初めて東京と繋がったわけではなく、
従来から飛行機も小松~羽田間が約50分で結ばれていたとは云え、
気軽に利用できる新幹線が飛行機の約5倍
(飛行機300万人/年、新幹線1600万人/年)の輸送力で
新たに金沢と結ばれたことは、
金沢に向かう意欲を掻き立てるに十分な効果となって、
たくさんの人が金沢を訪れています。

そしてその効果のひとつに金沢の地価は、
金沢⇔香林坊を中心に上昇しております。

その要因として、私に限らず多くの専門家は
県外大手資本の参入といいますが・・・
では何故、県外資本が参入すると地価が上昇するのでしょうか?
また地価における新幹線開業効果は、開業前より上昇し、
開業後から下降が始まると言われている中で
何故、金沢だけが今なお上昇傾向なのでしょうか?

本来地価の原理は、市場性・利用性・活用性によって構成されております。
ただ地方は大都市と違って大企業が少なく
人口密度も低いことから高度な利用・活用に対する選択肢が少なく、
結果周辺の売買事例のみが価値の目安となっております。

一方、大都市は大手企業が多く、また人口密度も高いことから
高度な利用・活用によって新たな価値を創造することが可能です。

従って地方は”最後は自分で責任?”という絶対性、
大都市は”みんな大丈夫だから?”という相対性の志向が
地価を支配しているものと考えます。

つまり金沢という鎖国に近い絶対性理論が地価を支配していたところへ
新幹線が大都市から人以外に地価の相対性理論も運んでくれた・・・ということです。

例えば、同じ利便と仮定した立地で、金沢と東京銀座を比較した場合
交通利便だけでも銀座3駅の一日の乗降者は46万人、
そして北陸新幹線開業前の金沢駅はJRと北陸鉄道を合わせ2.4万人です。
実に19.1倍・・・約20倍の差がありました。

ところが北陸新幹線開業後の金沢駅は、
新幹線だけでも一日2~3万人の利用があり、
金沢駅の利用者は約2倍、そして銀座との差は約10倍に縮まり・・・
一過性ではなかった。
そうなると絶対性理論では、過去の売買事例から”2倍は高い!”となり
相対性理論では”銀座の地価の1/20(金沢では2倍)なら安い!”となります。

従って私が思うに、金沢の地価とは
古都という格式と来沢者が絶えない信用によって・・・
支えられているということではないでしょうか?

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